尾戸焼 谷製陶所のべく杯 酒器 おちょこ ぐい飲み おきゃくグッズ 土佐の匠 可杯・可盃 べくはい

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土佐藩主 山内家の 御用窯「尾戸焼」谷信一郎さんのべく杯

■土佐藩の御用窯「尾戸焼」

尾戸焼の歴史は、今から370年ほど前にさかのぼります。1653年(承応2年)、土佐藩二代目藩主・山内忠義公が大阪から陶工・久野正伯を氏を招き、高知城の北側・小津町に窯を開いたのがはじまりでした。
もともとは藩のお抱えとして、贈答用の茶器や高級な器を作るために設けられた窯です。いわば「お殿様の器」を焼く場所として、土佐の文化と深く結びついてきました。その後、土の採取地である能茶山(高知城から南西に位置する、高知市鴨部にある小高い山)のふもとへ窯は移り今に至ります。ちなみに、尾戸焼きの「尾戸」は「小津」が転じたという説があります。
明治になって藩窯の時代が終わり、民間へと引き継がれてからも、尾戸焼の火は絶えることなく燃え続けました。現在、その伝統を守る窯元は二軒。370年という時間の重みが、この小さなべく杯にも静かに宿っています。


■土佐の匠・谷信一郎さん

谷製陶所の5代目・谷信一郎さんは、子どもの頃から粘土で遊んでいたという、生粋の“土好き”です。そのまま陶芸の道に進み、30年以上をかけて積み上げてきた技術が、「土佐の匠」の称号につながりました。
「土佐の匠」は高知県が伝統工芸において卓越した技を持つと認めた職人に贈る称号です。谷さんのお父様・安雄さんも同じ認定を受けています。親子二代での受賞は高知では初めてとのことです。
谷さんは工房の裏手にある能茶山に自ら入り、土を掘り出すところから始めます。1ヶ月半ほどをかけて土を精製し、成形、素焼き、絵付け、本焼き、仕上げまで…すべての工程をご自身の手でていねいに育て上げていきます。仕入れた土では決して出せない、この土地ならではの表情が、尾戸焼にはあります。

能茶山のふもと、ちょこっと坂を上ったところに「谷製陶所」の看板が見えます。すぐそこを土佐道路が走っているとは思えないほど、工房の中に足を踏み入れると、土に囲まれたゆったりとした時間が流れています。
入って正面には採土場があり、その横には「水簸(すいひ)」のための水槽が並んでいます。水簸とは、粒子の大きさや重さによる沈殿速度の違いを利用して土を精製する、昔ながらの方法。じっくりと時間をかけて行うこの工程が、尾戸焼の土づくりの要です。その奥には工程の流れに沿って作業場が続き、ろくろが並ぶ空間では大人も陶芸体験ができます。
素干し(乾燥)中の器の中に、かわいいキャラクターの形をしたものがありました。近くの小学校の子どもたちの作品だそうで、小学生の体験教室や幼稚園・保育園の卒園制作もお手伝いされているとのこと。
入口近くには展示販売所があり、普段使いの器から料理屋さんで使うような品のある器、花器や茶器まで揃っています。華道や茶道の先生から注文を受けて製作することもあるそうで、「難しい注文もありますが、日々挑戦ですし、勉強になりますね」と、話してくれました。
幼い頃、粘土で怪獣を作って遊んでいた少年の心が今も谷さんの中で輝いているようです。

 

■そら!注いだぞ!、穴開いてるぞ!「きゅうっと飲め」


■べく杯(可杯・可盃)とは?

注いだら最後、飲み干すまで置くことができない?それがべく杯です。
底が尖っていて置けないタイプが「そらきゅう(空吸)」です。「そら、きゅうっと飲め」を縮めて「そらきゅう」だそうです。底に穴が開いていて指で押さえながら飲むタイプを「あなきゅう(穴吸)」と呼びます。「穴が開いてるからきゅうっと飲め」を縮めて「あなきゅう」だとか。どちらも一度手に取ったら、飲み干すまで手放せないという、なんとも潔い構造をしています。
「べく杯」を漢字で書くと「可杯」。候文(そうろうぶん)などで「~すべく」と書く際、「可」の字は必ず上に置かれ、下には文字がこないことから、下に置けない杯という意味でこの名がついたとされています。名前の由来まで洒落が効いていますね。


■高知でなぜべく杯が有名なのか

江戸時代の浮世草子・人形浄瑠璃作者、俳諧師である井原西鶴の著作『俗つれづれ』や、戯作者・狂歌師である柳亭種秀の著作『於路加於比』にもその記述が見えることから、べく杯は江戸時代にはすでに全国のお酒の席を盛り上げる俗文化として楽しまれていたことがうかがえます。
なかでも高知での根付き方は格別でした。高知の料亭では古くから「べろべろの神様は正直な神様よ、〇〇の方へとおもむきゃれ」という宴会のお遊び歌が親しまれており、これがべく杯と結びつきました。独楽を回しながらみんなで歌い囃し立て、駒が止まった時に指された人がべく杯でお酒を飲み干す…そのにぎやかさが、宴をさらに盛り上げました。
こうしてべく杯は「はし拳」と並び称されるほど土佐を代表する宴席のお遊びとして定着し、土佐の酒文化そのものになっていきました。高知の人が宴を「おきゃく」と呼んで大切にしてきた文化と、べく杯はぴったり重なったのです。

 

■土佐の酒席を小粋に、洒落に愉しむなら尾戸焼のべく杯はどうでしょう?

ちなみに、おかめ・ひょっとこ・天狗を象ったユーモラスなべく杯は、1970年代に高知の酒蔵が発案したものです。独楽とセットにして広めたことで土産品としても人気を集め、今では高知のべく杯といえばこの三種というイメージが定着しました。
そのにぎやかな顔ぶれも高知らしくて魅力的ですが、お酒の席で小粋に洒落を添えたいなら、尾戸焼のべく杯はいかがでしょうか。370年の歴史を持つ能茶山の土から生まれた、飾らない温かみのある一脚。手に取るほどに馴染んでいく器で、大切な人とのおきゃくを楽しんでみてください。

「置けない」杯ですから「気の置けない」ご友人への贈り物にもオススメです!

 

商品名 尾戸焼・谷信一郎さんのべく杯(可杯・可盃)
穴きゅう/そらきゅう(各3色)
サイズ *穴きゅう 
飲み口直径…約5.2cm
高さ…………約4.2cm

*そらきゅう 
飲み口直径…約6.4cm
高さ…………約2.3cm
製造
販売元
尾戸能茶山焼 谷製陶所


※色展開について

白=少し青みがかった白で、飲み口付近は上品な青緑の縁取りが色付けされています。

黒=黒100%ではなく、深みのある茶色がかったクリーミーな黒です。

青=深い海の底を思わせる深みのある青です。玉虫色のように角度や光の具合によって色が変わって見えます。

1品1品を技術者が手づくりしているため、サイズや色合いに少し個性がありますことをご了承ください。 「たったひとつ」感をお楽しみいただければ幸いです。

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